ショートターン基礎講座

ショートターン

ショートターン

基礎パラレル・ショートリズムからショートターンヘ

ショートターンは、パラレルターンのショートリズムです。本来なら、パラレルターンを状況によって使い分ける、応用の技術としなければなりませんが、一般的に非常に使用頻度の高い技術ですので、スキーを安全に楽しむという観点から、基本技術として取り上げ、その基礎となる要素からショートターンを考えていきたいと思います。初めに、基本的なパラレルターンのショートリズムによるものと、使用頻度の高いショートターンを比べてみましょう。

イメージの違いをとらえよう

これらはどちらも、荷重、回旋、角づけによるターンコントロールという点では同じですが、それらの量、方向、タイミング、身体のひねり、ストックのタイミング、エッジソグポイント体軸の作り方、などの違いが見られます。それらをふまえて、ショートターンに要求される運動要素と、荷重、回旋、角づけの3点を中心に見ていきましょう。

ショートターンに必要な要素

ショートターンを行なう上で、一番単純明解な方法は、スキーを素早く回すことです。質はともかく、スキーの向きが右から左へ、左から右へと、短い時間で変わることがショートターンです。スキーを回す、回旋すとをベースに、荷重、角づけを組み合わせながらショートターンのイメージを作りましょう。

1 回旋

ショートターンに要求される回旋について、見ていきましょう。

どう回すか、どこまで回せるかが上達へのポイントです。フォールラインに対して、迎え角を大きく作ります。身体の軸を左右へ倒さないようにしながら、身体の真下のブーツを中心にスキーをピボットさせます。回す時は、抵抗が無いほうが回しやすいので、できるだけ雪面に角(エッジ)をたてないように、フラットにスキーを保ってください。

体軸が倒れたり、スキーを横に振り出すと角が立ち、スキーをピボットさせられませんので、軸を垂直に保ちましょう。後傾になっても同じです。上体や腰の向きは常にフォールラインへ向けておきます。上半身も一緒に回してしまうと、より早いスキーの振りは望めません。上体はスキと逆方向へひねりながら、常にフォールラインへ向くようにしますストックも前に出さないよう、開いて横に突くイメージです。

初めは、ゆっくりでも構いませんから、フォ-ルラインに対し、90度まで回せるように練習しましょう。角度を大きくとれればとれるほどショート・ターンのコントロール能力は高くなります。

2 回旋と荷重

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真上からスキーと一緒に、方向へ。フォールライン1の荷重の要領で回ったスキーに、真上から荷重します。ひねりを保ちながら、回旋されたスキーに乗り込みます。ターンする意識ではなく、スキーと一緒にフォールライン方向に降りていきましょう。スキーに近づくイメージで、軽く沈み込みます。

3回旋+荷重+角づけ

荷重の時に角をとらえるように。2の要領で、回旋したスキーに荷重しながら、荷重と一緒に角づけをします。身体の真下でフラットになっている板の角を立てるイメージです。

足場が横や、谷側へ出て角が立つのではなく、身体の真下で立てることがポイントです。これでスキーは雪面の抵抗を受けてブレーキのかかる状態になり、身体は軽く前へ投げ出される感じになりますので、その力を利用しながら次のターンへ入っていきましょう。

ショートターン緩斜面

回旋の量、荷重、角づけに入るタイミングを調整する。

基本動作では、回旋してから荷重、角づけを行ないましたが、タイムラグを少なくして、回旋しながら荷重、角づけを行ない、ターンをコントロールしましょう。1ひねりながらの角づけがしっかりしてくると、それを解放することで、元にもどろうとする力が働き、回旋する意識をもたなくても、スキーはフォールラインまでもどって来ます。そのフォールラインから、回旋の量、荷重、角づけに入るタイミング、強さを調整しながら、状況に合わせて抵抗をとらえていくイメージを作りましょう。

ショートターン中、急斜面

緩斜面では、回旋の量を少なく、角をとらえる動きが主になります。2中斜面や急斜面でスピードをおさえたいときには、ひねりを大きく使い、回旋量を多くしながら、荷重、角づけもしっかり使い、抵抗を短期間で多くうけとめます。どんなに力を入れて角を立てても、フォールラインに対して迎え角が少ないとスピードはコントロールされず、かえってスピードが出ますので基本での回旋量を多く作り出せるかどうかがポイントになります。パラレルターン、ショートターン、それぞれのイメージをうまく取り入れながら状況、条件に合った滑りを心掛けましょう。

基礎技術は全ての土台

ブレークボーゲンからショートターンまで基本となる運動についてみてきましたが基本がなくては、応用することも発展することもありえません。基本が出来ていれば、応用や発展は、ほんの少しイメージを変えることでいともたやすく出来てしまいます基礎は簡単で、レベルの低い技術ではなく、大切な技術、スキー技術の全てといっても過君ではありません。自転車に乗れない人は、自転車で買い物に行くことも、高原でサイクリングすることも、マウンテンバイクで道なき道を走ることも、ましてやツール・ド・フランスに出て優勝することもできません。それと同じで、「スキーに乗る」ということは大切です。基本の大切さをもう一度見直しましょう。

上達には、まず目標をみつけることが大切

つらい練習の話です。つらいものを楽しいもには、したらいいのでしょう。大切なのは明確な目標を持つ事です。より明確な目標を持つ事は、練習への意欲を駆り立ててくれるだけでなく、良いイメージを構築するにも大切です。練習は、何のためにどのよ事をするのか、という整理が必要ですし、自分に足りない部分はなにかという意識があるだけで、それを補うための練習が苦ではなくなります。練習の目標をこのようにはっきりさせてお<ことは、良いイメージのために欠かせない事なのです。イメージはもちろん千差万別です例えばコブの中を豪快に滑りたい、あるいは新雪を飛ぶように滑りたい、等など、場面や滑りを具体化させる事で、イメージの中味もより明確になってきます。さて、イメージが明確になってきたらどうしたらいいのでしょう。私は、とにかく長い距離をノンストップで滑る事を薦めます。長い距離を滑る事で無駄な連動が省かれて行き、効率滑りが生れるからです。